この記事では、Pythonでswitch文を代用する方法を紹介します。さまざまなプログラム言語で使用されているswitch文がPythonにはありません。
なので、switch文のような処理をしたい場合にはPythonに用意されているもので工夫して代用するしかありません。
ここでは、その代用方法をいくつか紹介します。
switch文とは?
switch文は「条件分岐をするための制御構文」で様々な言語で使われています。
以下のコードはC#でのswitch文の定義方法ですが、どの言語も大体こんな感じで定義されます。
switch(変数)
{
case 値1:
変数の値 == 値1の時に実行される
break;
case 値2:
変数の値 == 値2の時に実行される
break;
・
・
・
default:
変数の値がどの値とも異なる時に実行される
break;
}
このようにswitch文を使うことで見やすく条件分岐を書くことができ、多分岐の場合にはif文よりも早く処理をすることができました。
しかし、Pythonには用意されていないので他の構文で代用するしかありません。
Pythonでswitch文がない理由
公式ドキュメントには以下のように記述されています。
if… elif… elif… else の繰り返しで簡単に同じことができます。switch 文の構文に関する提案がいくつかありましたが、範囲判定をするべきか、あるいはどのようにするべきかについての合意は (まだ) 得られていません。現在の状況の完全な詳細は PEP 275 を参照してください。
Python に switch や case 文がないのはなぜですか? – デザインと歴史 FAQ — Python 3.9.1 ドキュメント
つまりは、他の構文で代用できるので特に必要もないってことですね。
それでは、Pythonでswitch文の代用方法を見ていきましょう!
switch文を代用する
if文でswitch文を代用する
以下のようにif文をswitch文のように扱えます。
v = 2
if v == 1:
print(1)
elif v == 2 or v == 3:
print('2 or 3')
elif v == 4:
print(4)
else:
print('default')
if文の詳しい使い方は、下の記事を参考にしてください。

条件をまとめる
条件を複数定義して見た目がスッキリしない場合は、in演算子とセットを使うことで見やすく条件をまとめることができます。
v = 2
if v == 1:
print(1)
elif v in {2, 3}: # in演算子とsetで条件をまとめる
print('2 or 3')
elif v == 4:
print(4)
else:
print('default')
辞書でswitch文を代用する
辞書を使うことでもswitch文を代用できます。
v = 2
d = {1: 'one', 2: 'two', 3: 'three'}
# dのkeyにvがあるかどうか
if v in d:
r = d[v]
else:
r = 'デフォルト'
print(r)
# two
関数を処理する
分岐時に関数を処理したいなら辞書のvalueに関数の参照を渡しておけば可能です。
def a():
print('a関数')
def b():
print('b関数')
# 関数a,bの参照を渡しておく
d = {1: a, 2: b}
v = 1
if v in d:
d[v]() # 実行
else:
print('デフォルト')
# a関数
可変長引数を使うことで引数が異なる関数も同じように呼び出すことができます。
# 可変長引数を定義
def a(*args):
print('a関数')
def b(*args):
print(f'b関数: {args[0]}')
d = {1: a, 2: b}
v = 2
if v in d:
d[v](v)
else:
print('デフォルト')
# b関数: 2
このように、状況に合わせて工夫することでswitch文が無くとも実装したい処理を実現することができます。
まとめ
この記事では、Pythonでswitch文を代用する方法を解説しました。
この他にも工夫の仕方によって色々な代用方法があると思いますが、あまり奇抜なやり方は可読性を著しく下げる恐れがあるのでやめておいた方が無難です。
switch文のメリットはやはり可読性にあります。代用で分かりにくいコードを使っていたら本末転倒なので気をつけましょう!
それでは今回の内容はここまでです。ではまたどこかで〜( ・∀・)ノ